民芸

民芸とは近代の機械生産方式で生産されるデザインとは違って、手によって作られる民衆の生活用品を指します。したがって、美術工芸品とも違って、長い間民衆が生活の中に培ってきた知恵と感覚を自然に表したものが多く、日本語の民芸という言葉はイギリスのJ・ラスキンや、W・モリスの工芸運動の影響を受けて、柳宗悦を中心とする人々により広められたもので、特定の作家の作品という意識で制作される個人的工芸や、特定の階級の人々を対象とするような貴族的工芸とは違い、実用を主張とした民衆的工芸を意味します。今日しばしば認められる、民芸ブームの傾向は、上述の民芸運動のようなとらえ方への立返りであるよりは、むしろ進展する工業文明からの逃避、あるいは手仕事への懐古趣味を示す現象とみられます。

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