東京の色彩

都市美を生む要因には、建物の形や大きさばかりでなく、建物が肌としてもっている色彩があります。しかし東京の街全体がどのような色彩を持っているのか、ということについては、これまでは、ぼとんど総合的に調査されていませんでした。大阪万博フランス館の色彩担当者として来日した国立パリ装飾美術学校のJ・Pランクロ教授は、カラープランニングセンター、色の応用をより合理的にするための研究と啓蒙を目指す情報センターの依頼で、東京の各地区の建物の色彩の総合的調査を行いました。同教授は、帰国後10力月にわたる分析の結果、東京の街を支配する333色の基調色を抽出しましたが、これらは茶、灰色、淡青色系統の沈んだ色であり、それにもとづき彼は今後の色として、黄、朱色など57色のアクセントカラーを提案しました。これらは71年秋にパリ装飾美術館で展示されました。東京の色彩に対する調査結果と配色の提案は、都市計画上重要な示唆を含むものとしで注目されていました。

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